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MNTSQ従業員の相互理解を深める施策「Weekly Sync」の運用裏側をご紹介

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こんにちは。MNTSQの下村です。 コーポレートエンジニアとしてMNTSQ従業員の生産系向上施策等を実施していたりします。 最近では情報セキュリティ責任者としてもセキュリティ活動を推進しています。

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今回はMNTSQが 従業員同士の相互理解を深める ための施策として実施している Weekly Sync という取り組みについて紹介致します。


この記事で紹介したいこと

  1. Weekly Syncという制度の紹介について。
  2. Weekly Syncの仕組み。
  3. Weekly Syncを実施したことによる効果。

Weekly Syncについての概要&取り組み後の声

まずはざっくりとWeekly Syncの概要と実施したことによる従業員の声を紹介します。

概要

Weekly Syncとはすごくざっくりまとめると 自部署の取り組みのアップデート内容を他部署のメンバーに要約して伝えること を毎週実施することです。 他部署の取り組み紹介を知ることで相互理解や、自部署の取り組みについての気づきを発生させる取り組みとなっています。

Weekly Syncに寄せられた声

下記のような形でWeekly Syncの取り組み自体にはポジティブな効果が出ています。

  • 新入社員からはMNTSQの事業内容のキャッチアップに役立ったという声
  • PdMとSalesが相互感謝する例
  • アポ獲得のトリガーになったり

Weekly Syncとは?

さて、ここからはWeekly Syncの内容について詳細を記載させていただきます。
まずMNTSQにはクリスタルクリアというValueの観点で、マネージメントミーティングログという経営会議の内容が完全公開されています。
(そもそも完全公開自体がすごいことなのですが、ここでは詳細を割愛し CEO板谷の記事のリンク だけ貼らせてもらいます。)

Weekly Syncではこのマネージメントミーティングログに記載された各部署のアップデートを4-5人程度の小グループをbotがランダム作成、メンバー選出し 選出されたメンバーが5分程度に要約 して他の部署のメンバーに説明する取り組みです。
ミソなのが、その内容を 「自分なりの理解で説明すること」 にあります。

書いてある内容の正確性を最重視するなら、部署の長が説明すればよいのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれません。ですがここで重視しているのは選出者が「自分なりの理解で説明すること」です。この取り組みにより 選出者の当事者意識が高まり、自部署への気づき・発見 が生まれることにつながります 。 (もちろん正確性も重視しており、読むだけで正確な理解が得られるよう情報は整理されています!)

また、他部署のメンバーからすると、他部署のメンバーの補足説明等により、マネージメントミーティングログの内容だけでは把握しきれなかった 「現場の生の声」 が聞けることにより 生きた情報をキャッチする ことにも繋がります。

以上のことにより、短時間で 最新の事業状況を把握 でき、説明内容についての質疑応答などにより 相互の理解・発見を深める場 になっています。

なお、この取り組みは以前に Daily-sync と呼ばれて運用されていたものを100人組織に合わせてアップデートしたものになります。


Weekly Syncの実装内容について

ここからはWeekly Syncの実装内容について記載させていただきます。
実は設計方針についてはCEO板谷の要望を元に、アルゴリズムエンジニアの平田 が設計してくれました。
ただ、平田はMNTSQの中心人物であり 常に多忙です
「となると、これはコーポレートエンジニアの仕事でしょう!」と実装は私が引き受けることにしました。

余談

その日、平田が「NE KO NO TE MO KARITAI」「KASANAI...」と書いてあったTシャツを着ていたことからも想像を絶する多忙だったと予想します。(嘘)

要件整理

まず、前身の Daily-sync についての流れを汲む必要がありました。
(成功している施策であったので、無為にしたくなかったのです。)

Daily-syncについては組織規模が30人程度であれば、そこまで時間をかけずに相互理解が可能になっていてポジティブに効果していたのですが従業員数が増えてきたことにより、時間対効果が悪くなってきた側面がありました。
そこでDaily-syncの最大のメリットであった「異職種間コラボレーションの質を高めること」「限られたリソースの中で、みなが最も優先度の高い仕事に取り掛かっている状況を実現すること」をWeekly Syncで時間対効果を高めつつ実現するにはどうしたら良いかということをまず、CEO板谷と平田とディスカッションしました。
そこで、「日次で行っていたDaily-syncを週次で30分という凝縮しつつ、相互理解を深めるにはどうしたら?」という問いに対して前述した 「マネージメントミーティングログをお互いで説明しあう」ことが時間対効果が高いのでは? という結論に達しました。

また、CEO板谷からは下記のような要望もありました。

  1. 入社間もないオンボーディングメンバーは視聴のみ(喋らない)にしたい。
  2. 各部署のメンバーが数人程度でランダムにアサインされるようにしたい。

そして、これに加えて更に...
毎週のことなので運用を極力、楽にする必要があります。
(事務/総務アシスタントさんが、手動で参加者を募り、ランダムアサインするとかは絶対に避けないといけません)

そして、参加者の方も
1. 参加/不参加の意思表示を容易にする必要がある。
2. 新入社員がWeekly Syncの取り組みを即座に理解するために運用方法を工夫する必要がある。
といった形で 正直めんどくさい しっかり実装方法を考える必要があります。

こんなことは思っていない

こんな感じになりました1 - 通知処理

通知処理

  1. 「共有カレンダーに「Weekly Sync」という件名の予定が作成されているか否かをAM9時頃にチェックします。
    • 「Weekly Syncが開催される日」みたいなものを別途管理するのは嫌なので、カレンダー登録状況をチェックすることで回避します。
  2. 予定があれば通知先チャンネルに「Weekly Sync参加有無」をヒアリングする内容を通知します。
    • この時、従業員は参加の有無を回答しやすいように Slackリアクションで反応すれば良いだけ にします。
    • 更に更に、リアクションしやすいように、reactions.add method で押すべきリアクションをリアクションしておきます。
      • こうすることで、従業員はリアクション絵文字を探してリアクションするのではなく、ポチッとリアクションをすれば良いという1アクションで済みます。
    • また、参加表明リアクションには「リモート参加」か「物理参加」かを選べるようにしています。
      • こうすることで、リモート参加組はMeetのみで完結するように、物理参加組は対面で会話できるように会議室をbotが自動取得できるようにしておきます。
  3. リアクションを付け忘れてしまう従業員にそなえて、conversions.members method で通知先チャンネルに所属している人一覧を取得し、reactions.get method でリアクションした人を 除いた 一覧にリマインド通知します。
    • こうすることで、リアクション済みの人には余計な通知をせず、リアクションがまだの方にはしつこくメンションされるのでリアクション付け忘れを最小化できます。

こんな感じになりました2 - ランダム小グループを作成

ランダム小グループ作成処理

  1. マネージメントミーティングログが格納されているGoogle DriveフォルダをDriveApp でチェックし、スクリプト実行日のファイルを見つけ、そのファイルのURLを取得します。
    • このURLをこの後作成する小グループ宛にお知らせします。こうすることで従業員は「今日のファイルどれだっけ...?」と探す時間を無くせます。
  2. reactions.get method で参加表明した方の一覧を抽出します。
  3. 社員マスタをスプレッドシートで管理しているので参加表明した方々の「所属部署」と「入社日」を抽出します。
    • 入社日を抽出しているのは「入社3ヶ月以内」のメンバーはまだ不慣れな状況なので傍聴者としてアサインされるようにするためです。
  4. あとは上記で取得したメンバーを「所属部署ごとにランダムでPick」し、「4-5人程度」の小グループ化したメンバー一覧を作成します。
    • その小グループごとにSlackスレッドを作成し、説明する人をbotが指名します。
    • 新入社員が戸惑わないように、作成したスレッドにWeekly Sync開催の趣旨を説明した内容も通知しておきます。
    • こんな感じの通知をします。
      • 通知内容

従業員側の対応

以上のことにより、従業員は下記のようなオペレーションでWeekly Syncに参加可能になります。

  1. botから参加可否の質問が到着。従業員はリアクションするだけで参加要否の連絡が完了。
    • 物理参加かリモート参加なのかも考慮しています。
  2. 開催時間になったら、参加者向けにWeekly Syncの内容を通知。これによりWeekly Syncを知らない新入社員も運用可能。
    • 通知内容

やってみた後の声

下記のような形で良いフィードバックを頂けたり...

嬉しい声

従業員に楽をしてもらうための工夫に気づいて頂いてお褒めの言葉頂いたりと...

嬉しい声2

Weekly Syncは誰の負荷をかけることもなく、ポジティブに運用され続けています(嬉しい)

最後に

本記事ではMNTSQで実施されている相互理解の仕組みとして「Weekly Sync」とその運用の裏側を紹介させていただきました。
相互理解の仕組みを検討中の方の参考になると幸いです。

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